Androidアプリの初回公開タイミングの制御
アプリの公開タイミングを握りたい
前回、Flutterを使って技術検証用のアプリを立ち上げてみたという記事を公開しましたが、その発端にあった検証したい内容というのが、 「Androidアプリの公開タイミングを制御するにはどうしたらいいか?」 というものでした。
Androidアプリの公開に使用するGoogle Play Consoleは、2020年にリニューアルされていますが、「公開の概要」ページ内の「管理対象の公開」機能を使用することによって審査後任意のタイミングで公開出来るようになります。
これについては下記公式ドキュメントでその手順が解説されています。
逆に言うと、 この設定をしていない場合、審査が通ったらすぐ公開される ということでもありますので注意が必要です。
問題は、 この「公開の概要」ページが初回リリース時は使えない? といった噂が社内から上がってきたことでした。
本記事ではその検証を行った結果どのように対応すべきかについてまとめています。
検証
そんなわけないだろう、と思いつつ調べると、たしかにそのような内容を記述している記事はいくつかありました。
これもまた百聞は一見にしかず、ということで検証をしてみることにしました。
まっさらの状態
まず、何も提出していない状態から確認します。
「公開の概要」ページを開くと、「管理対象の公開を使用するには、リリーストラックにアプリを公開してください」と表記され、「管理対象の公開」機能を有効にできません。
クローズドテストへの提出
とりあえず、内部向けの公開機能であるクローズドテストで提出を行ってみます。
すると、この時点で「公開の概要」ページが変化し、 「管理対象の公開をオンにする」ボタンが現れました!
実際にオンにしてみます
これで、管理対象の公開機能をオンにできました。
初回審査はかなり時間が掛かりますが、数日待つと…
このクローズドテストの提出から既に公開タイミングの制御が出来ている ことが分かります。
変更を公開ボタンを押すと、1時間以内にGoogle Playに表示される、という旨が表示されます。
リリースページを確認すると「未公開のリリース」として表記されています。
つまり、提出してすぐに「公開の概要」ページから「管理対象の公開」機能をオンにする、これがAndroidアプリの公開タイミングを初回から制御するための方法と結論づけられます。
プロモートによる製品版のリリース
念のため、このままクローズドテストから「プロモート」を用いて製品版にリリースしてみます。
プロモートによるリリースの場合も一度審査が走ります。
「公開の概要」ページでは変更点が明示されるのでわかりやすいですね。
ちなみにこのように「公開の概要」ページで審査中の変更内容が可視化されたのは、2023年2月の公開ワークフローの変更からとのことです。Android Developers Blogの記事にて詳細が記述されていますので、興味があればぜひご覧下さい。
だいたい40分くらい待つと、製品版についても問題無く公開タイミングを制御できていることが確認出来ました!
公開ボタンを押すと、先ほどと同じ文言が表示されます。
公開ボタンを押してからステータスが「公開中」となるまではすぐでしたが、Google Playへの表示までは少し時間がかかるときがある、ということかもしれません。
まとめ
Androidアプリの公開タイミングの制御を行いたい場合、クローズドテスト等のテスト環境でとりあえず提出を行い、その直後から有効に出来る「公開の概要」機能をオンにすることでそれ以降は審査が通ってすぐ公開されることはなくなることを検証できました。
iOSとAndroidでリリースタイミングを揃えたい場合などには必須の知識なので、知っておいて損はなさそうですね。